No.4【ロシア・ウクライナの教会事情】

◆ ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まったのが2月24日だったので、今日(4月24日)でちょうど2ヶ月になります。最近は新聞でもニュースでもこの話題ばかりですから、「週報のコラムくらいは別の話をしてくれよ」と思われるかもしれませんが、キリスト教の視点から語られることは多くない気がしたので、この場をお借りして少し書いてみようと思います。

◆〈西方教会=カトリック・プロテスタント〉と比べると、〈東方教会=ギリシア正教会〉では、分裂があまりありませんでした。しかし、つい最近の2018年に、東方教会史上、最大の分裂危機が起こってしまったのです。それが、〈ウクライナ正教会〉による〈ロシア正教会〉からの独立です。この独立運動に対して、ロシア正教会は猛反対しました。そしてさらに、正教会でいちばん偉い〈コンスタンティノープル総主教庁(トルコ)〉が、ウクライナ正教会の独立を支持したので、ロシア正教会はコンスタンティノープルとも決裂したのです……。

◆本当なら、国家同士が対立してしまう時こそ、教会が和解のために働くべきです。しかし、少なくともロシア・ウクライナでは、国家の対立を教会が真似する形になってしまいました。「あなたがたは地の塩です。もし塩が塩気をなくしたら…もう何の役にも立たず…」(マタイ5:13)