No.41【クリスマス休戦】

◆プーチン大統領がウクライナに提案した「クリスマス休戦」は、実現しませんでした。「1月7日はロシア正教とウクライナ正教のクリスマスなので、兵士たちが礼拝に参加できるように」ということで、プーチン大統領よりも先にキリル総主教が提案していたものです。この提案に対しウクライナは、「ロシアが占領地を去らなければ休戦はない」と答えました。

◆「クリスマス休戦」といえば、1914年に起きた休戦が有名です。わずか100mの距離で撃ち合っていたドイツ軍とイギリス軍。ある夜、ドイツ軍を励ますために戦場に来ていたテノール歌手が、『きよしこの夜』をドイツ語で歌い始めます。すると、その歌声を聞いたイギリス軍もまた、同じ曲を英語で歌い始める。翌朝になると双方の兵士たちが塹壕から出てきて、酒やチョコレートを贈り合い、記念撮影を共にし、空き缶でサッカーをした。

◆もちろん、こんな地域ばかりではありませんでした。休戦をしようと塹壕を出た兵士が殺されてしまった、という悲しい事件もあったそうです。「1914年は第一次大戦が深刻化していなかったから休戦が実現したのだ。戦争はそんなに甘いものではない」という指摘もあります。その通り。しかし、希望を見出すことも大切でしょう。イザヤ書65章25節の「狼と子羊はともに草をはみ……」という預言は、このような希望の実現を約束しています。