No.60【「教会を育む説教の聞き方」】

◆昨日行われた「TCU学園デー」では、盛岡みなみ教会でも今年3月にご奉仕くださった朝岡勝(あさおかまさる)先生が、「教会を育む説教の聞き方」という題で講演をされました。今回の講演のキーワードは、「①書かれた説教」「②語られた説教」「③聴かれた説教」です。

◆「①書かれた説教」というのは、いわゆる“説教原稿”のことです。聖書箇所の研究を行い、現代への適用を黙想し、構成を考えて書く。説教者たちの人生は、半分以上この作業です。その一方、「②語られた説教」というのは、“講壇で語られた説教者の言葉”です。もちろん、「書かれた説教」が基本になっているわけですが、必要に応じてアドリブが加えられます。そして、「③聴かれた説教」というのは、“説教を聴いた一人一人が受け止めた言葉”です。人によって聴き取る点は異なり、「聴衆が百人いれば、百通りの説教」とさえ言われます。

◆しかし、「①書かれた説教」「②語られた説教」「③聴かれた説教」というこの三つよりも朝岡先生が大切にしていたのは、「生きられる説教」ということでした。どれほど完成度の高い原稿が書かれ、どれほど素晴らしい語り口で語られ、どれほど熱心に聞かれたとしても、その通りに生きられないのなら、何の意味もない。説教者自身も肝に銘じたいと思います。