No.104【「それなら、四次元世界もあるのでは?」】
◆本日の説教でご紹介する動画「クォンタム博士、フラットランドに行く」の元ネタは、1884年にイギリスで出版された小説 “Flatland: A Romance of Many Dimensions” です。映画化やアニメ化はもちろん、多くの作品に影響を与えている世界的なベストセラーです。作者であるエドウィン・アボット・アボットは、ケンブリッジ大学で数学や神学を学んだ後、26歳で名門 City of London School の校長に就任。司祭としても活躍した“鬼才”でした。
◆ある日のこと、「フラットランド(二次元世界)」に住んでいる「正方形さん」のところに、「球体」という謎の人物が現れます。二次元世界しか知らない「正方形さん」には、最初は「球体」のことが理解できないのですが、「スペースランド(三次元世界)」について話を聞き、実際にそこへ連れて行ってもらうことによって、段々と新たな世界に目が開かれていきます。
◆「球体」がフラットランドにやって来たのは、「三次元」という概念を広めるためでした。ところが、「それなら、四次元世界もあるのでは?」と正方形が話すと、球体は怒り出すのです。“理解を超えた世界”を拒絶する私たち人間の姿が、皮肉たっぷりに描かれています。