No.121【「プロライフ」と「プロチョイス」】

◆11月5日の大統領選挙に向けて、アメリカでは“民主党”と“共和党”の闘いが続いています。選挙の争点は色々ありますが、そのうちの一つは、「人口妊娠中絶を禁止すべきか?」です。

◆共和党支持者の多くは、「あなた(神)こそ……母の胎の内で私を組み立てられた方です」(詩篇22篇10節)などの聖書箇所を根拠とし、「受精した時点で一人の人間だ。中絶せずに養子に出すべきだ」と論じます(この立場は「プロライフ(生命優先)」と呼ばれます)。一方、民主党支持者の多くは、「中絶を禁止すると、不慮の妊娠で苦しむ女性たちの自己決定権が侵害されてしまう」と論じます(こちらは「プロチョイス(選択権優先)」と呼ばれています)。

◆どちらの立場にも一理ある、難しい問題です。だからこそ、「母親か胎児か選べ」という状況そのものを減らすことが重要です。強姦などの性犯罪を減らすことはもちろんのこと、子育てを前提としない快楽目的の無責任な性交も考えものです。単に避妊方法を教えるだけの性教育ではなく、いのちの尊さを教える性教育が必要です。妊娠しやすい日を“危険日”と呼ぶような習慣も無くなって、全てのいのちが大歓迎される世界を目指したいと思います。