No.135【主の祈りの謎:「赦します」?「赦しました」?】

◆盛岡みなみ教会が使っている“主の祈り”の翻訳では、「私たちの負い目をお赦しください。私たちも、私たちに負い目のある人たちを赦しました」(新改訳第3版)となっていますが、新しい翻訳(新改訳2017)では、「私たちの負い目をお赦しください。私たちも、私たちに負い目のある人たちを赦します」に変わっています。「赦しました」か、「赦します」か…?

◆ギリシャ語の原文では過去形の動詞が使われているので、直訳すれば「赦しました」です。そう考えると、新改訳第3版の翻訳が正しいようにも思えます。しかし、イエス様が実際に使っていた言語(アラム語/ヘブル語)では、過去形(完了形)の「赦しました」が、「(必ずや)赦します」という“約束”を意味することもあるので、新改訳2017が正しいとも言えるのです。

◆どちらの翻訳を選ぶとしても、“人を赦すつもりがなければ、神様から赦されない”という要点は同じでしょう。“主の祈り”の後にイエス様が解説されたとおりです。「もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたを赦してくださいます。しかし、人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しになりません。」(マタイ6章14-15節)