No.140【「サンタさんってほんとにいるの?」】
◆目を輝かせた子どもの、しかしどこか不安げな感じの、「サンタさんってほんとにいるの?」―――「どうかなあ」とごまかしたり、「“存在”の定義によるかな…」などと逃げたりせずに、「もちろん!」と答えたい。そして、“初代サンタ”の物語を聞かせてあげたいと願っています。
◆今から1700年前のこと。小アジアという地域(今のトルコ)に、一人の商人がいました。彼は事業に失敗し、全ての財産を失い、愛する娘たちを身売りさせなければならないほどに追い詰められていました。ところがある日、彼の家の窓から(伝承によっては「煙突から」)お金が投げ入れられていて、おかげで彼も娘たちも助かったのです。「しかし、一体だれが?」―――やがて彼らは“犯人”を発見しました。のちに「聖ニコラス(Saint Nicholas)」と呼ばれ、「サンタクロース(Santa Claus)」のモデルとなった、心優しい司教のしわざだったのです。
◆どこまでが実話かは不明です。ただ、ニコラスという“聖人”が存在したことは事実であり、彼の志を継ぐ人々が(赤帽を被らなくても)世界中で働き続けていることは事実です。だから、「もちろん!」と答えたい。そして、それが子ども騙しではない世界を目指したいと思います。