No.144【「ハリウッドに対する神のさばき」?】
◆先週火曜日にロサンゼルス近郊で発生し、一万棟以上の建物を燃やし続けている山火事について、「堕落したハリウッドに対する神のさばきだ」と言い張る人々がいるようです。東日本大震災の時にも、「偶像を拝み続ける東北へのさばきだ」と主張する人々がいました。このような声に対するイエス様の答えは、「そんなことはありません」(ルカ13:3)なのですが。
◆1755年にポルトガルの首都リスボンで大地震があり、津波等で6万人が亡くなった際も、「カトリックへのさばきだ」という声が広がりました。一方で、「神のさばきかどうかよりも、被害を減らす方法を論じるべきではないか」と考える人々もいました。哲学者として有名なインマヌエル・カントも、被災地を巡って調査をし、「地震原因論」などの論文を書きました。
◆気候変動や人口過密などを考慮するなら、災害の一部は“罪の結果”とも言えるでしょう。しかし、「地を従えよ」(創世記1:28)というご命令を考慮するなら、自然界を研究して“減災”や“防災”に励むことは人間本来の使命だとも言えます。少なくとも、「神のさばきだ」と口だけ動かすよりは、命を守るために少しでも知恵を絞るほうが、イエス様の御心に近いはずです。