No.146【「トランプ2.0」と聖書】

◆「トランプ2.0」が始まって数日のうちに、大統領令(など)への署名は40を超えました。物価高騰に苦しむアメリカ人が多いのは事実でしょう。しかし、自国の利益のために移民を排除したり、先住民の土地を蔑ろにしたり、地球環境保護の国際協定から脱退することは、「私以上に聖書を読んでいる人はいない」と主張する大統領に相応しい判断なのでしょうか。

◆少なくとも僕の聖書には、「あなたがたは自分の敵を愛しなさい。彼らに良くしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい」(ルカ6:35)と明記されています。「昔からの地境を移してはならない」(箴言23:10)とも書かれていますし、「地とそこに満ちているものは、主のもの」(第一コリント10:26)とも書かれています。地球も石油もメキシコ湾も「主のもの」です。

◆もちろん、日米同盟という“傘”に守られている日本人としては、米国の弱体化に不安を覚えないわけではありません。共和党の支持者たちも、中国への恐れや失職への恐れなどから“強力な指導者”を求めたのでしょう。しかし、“自国中心主義”が解決への道なのでしょうか。人類史は恐怖と敵対心による自滅の歴史です。だからこそ聖書は、「恐れるな」と語るのです。