No.159【教皇フランシスコ】
◆高級車ではなくバスに乗り、宮殿ではなくホテルの一室に住み、薬物依存者や犯罪者の足を洗って口づけし、“異教徒”のためにも異例の洗足式を行い、「私の就任式を観るためにローマに来る飛行機代があるなら貧しい人々に寄付してほしい」と呼びかけ、「私は貧しい人々による貧しい人々のための教会を望む」と語った教皇が、88歳で主に召されました。
◆ブエノスアイレス時代の部下に話を聞けば、「車も携帯も持たず、もらった贈り物は全て貧しい人にあげる。大好物のチョコぐらいは食べたかもしれませんが」と親しみを込めて語られた教皇。「必要なのは愛と平和だけ」を信条とし、貧民層支援のために「十数年間、電車と地下鉄を1時間乗り継ぎ、糞尿の臭いが漂う道路を歩いて」スラム街に通ったとも。
◆プロテスタントの視点から見れば、カトリック教会の様々な伝統には“非聖書的”と思える部分があるでしょう。しかし主イエスご自身が、伝統や形式よりも大切なのは「正義とあわれみと誠実」だと仰りました(マタイ23:23)。“アッシジの聖フランシスコ”の名を名乗り、それに恥じない生涯を歩んだ一人の先輩から、私たちが学ぶべきことは少なくないはずです。