No.164【イスラエルと教会】

◆「イスラエル(=神と戦う)」という名が最初に与えられたのは、アブラハムの孫であるヤコブでした(創世記32:28)。このヤコブの十二人の息子たちが、イスラエル“十二部族”の族長となります。それゆえ“十二”という数は、“神の民”を表す象徴的な数となっていきます。

◆イエス様の直弟子が“十二人”だったのは偶然ではなく、“新しいイスラエル”を造る意志を表すものでした。弟子たちもその意志を受け継ぎ、“十二人”にこだわりました(使徒1:26)。もちろん、イスラエル人(ユダヤ人)は見捨てられ、異邦人の教会に置き換えられた、ということではありません。「ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由人もなく、男と女もありません。あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって一つだからです」(ガラテヤ3:28)。

◆「イスラエルの繁栄を元どおりにし、初めのように彼らを建て直す」(エレミヤ33:7-9)という預言があります。これを1948年のイスラエル建国との関係で解釈する人もいれば、イエス様が結んだ「新しい契約」(エレミヤ31:31/ルカ22:20)との関係で解釈する人もいます。“イスラエル”と“教会”の関係をどう考えるかは、聖書理解にも、現代社会理解にも、重要です。