No.206【「全ての書物を読み切った」?】
◆“歴史上の天才”について調べていると時々、「彼は当時存在した全ての書物を読み切った」みたいな逸話が出てきて、「それはさすがに嘘でしょ」とツッコみたくなることがあります。でも、印刷技術が発展する前の世界であれば、そういうこともあり得たのかもしれません。
◆それに比べて現代では、一生かけても読みきれないほど大量の書物が存在していますし、ネット上には毎日数え切れないほどの情報が湧き出てきます。YouTubeに投稿されている動画の総数は約300億本で、すべての動画を観るためには30万年が必要になるそうです。1.5倍速再生でも、2倍速や3倍速でも間に合いません。まさに“情報の洪水”が起きています。
◆この洪水をなんとか泳ぎ切ろうと、暇さえあればスマホをスクロールし、新しい情報に追いつこうと焦る私たちかもしれません。そのような忙しさの中で、本当に知るべきことを見失ってはいないでしょうか。「読み切った」なんて不可能な世界だからこそ、しばし立ち止まって、「本当に必要なものは?」と問いたいと思います。「あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。しかし、必要なことは一つだけです。」(ルカ10章41-42節)


