No.12【「あなたとともにいる」】
◆「私のウクライナの人々へのメッセージは、……『私たちはあなたとともにいる』だ。」この発言は、アメリカのバイデン大統領が、3月26日のスピーチの中で語ったものです。〈あなたとともにいる〉という言葉は、英語圏ではよく使われる表現ですが、「なんだか、わざとらしいなあ、空々しいなあ」という印象を受けた方も多かったかもしれません。
◆ バイデン大統領のこの発言に、力が感じられないのはなぜか。それはもしかすると、〈あなたとともにいる〉という言葉が、もともとは聖書の神の言葉だからかもしれません。神様のお名前はヘブライ語で「ヤハウェ(יהוה)」と言いますが、このお名前はおそらく、出エジプト記3章12節の「わたしがあなたとともにいる(אהיה=エヒイェ)」に由来しています。
◆ アメリカの軍事力や経済力も、ある程度は頼もしいかもしれません。しかし、全世界を創造し、全世界を滅ぼすこともできる神がともにおられる、という安心には勝りません。使徒パウロは、「神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょう」と書きました(ローマ8:31)。これを原文から直訳してみると、「神が私たちのために存在しておられるなら、だれが私たちに対して存在できるでしょう」です。まさに、その通りです。