No.82【「天地は消え去ります」?】

◆「天地は消え去ります」(マルコ13:31)というイエス様の言葉は、“地球はいつか消滅する”という意味に誤解されがちです。しかし、マルコ13章は“地球滅亡”ではなく“エルサレム滅亡”の予告です(1-4節参照)。さらに「天地」は、“天と地の中心であり象徴でもあるエルサレム”を指す表現でもあります(イザヤ65:17-18)。つまりイエス様の意図は、“地球はいつか消滅する”ではなく、“堕落した今のエルサレムは消え去り、新しいエルサレムが創造される”です。

◆「地と地にある働きはなくなってしまいます」(第二ペテロ3:10)という御言葉も、 “地球はいつか消滅する”という誤解を与えがちな表現です。しかし、「なくなる(ウーク・エヴレスィーセテー)」というギリシャ語は、本来は「暴かれる(エヴレスィーセテー)」だったという説が有力です。 つまり、“地球はいつか消滅する”ではなく、“地球上で隠されている全ての悪行は暴かれる”なのです。イエス様も、 「隠されているもので知られずにすむものはない」(マタイ10:28)と宣言しました。

◆今も世界では、権力者たちの暴走が止まず、多くの命が失われています。しかし神様は、あらゆる悪行を暴き出して裁きを下し、無辜の犠牲者たちには新しい命をお与えになります。主イエスを見捨てずに復活させた神は、ご自分が造られた地球を見捨てることもないのです。