No.64【「“ヤス”のほうが嬉しいんですよね」】

◆我らが愛するKさんから、「実は、“K(苗字)”よりも、“ヤス”のほうが嬉しいんですよね」と言われたのはいつだったでしょうか。「ヤスさん」と呼ぼうとするんですが、「Kさん」という慣れた呼び方がなかなか抜けません。ヤスさん、もうしばらくご堪忍くださいませ。

◆職場であれば“苗字呼び”は普通ですし、最近では小学校等でも、“社会生活に慣れさせる”という目的から、“苗字にさん付け”を指導するケースが増えているそうです。そう考えると、日本文化における“苗字呼び”というのは、“社会人としての距離感”を表すものなのでしょう。当たり前ですが、家族が苗字で呼び合うことはありません。“距離感”は必要とされません。

◆もちろん、《苗字呼び=距離が遠い》というわけでもないでしょう。結局のところ大切なのは、“どんな呼び方で呼ぶか”よりも、“尊敬や愛情を感じられるか”なのかもしれません。教会は“職場”や学校”というより“神の家族”ですから、それぞれが呼ばれたい(呼びやすい)呼び方で、愛情を伝え合える自然な呼び方で、互いの存在を喜べたら良いなあと思います。