No.108【弁証論①:神は存在するのか?】

◆「神様って本当にいるの?」「目に見えないのになんで信じられるの?」「神様が人間を創造したんじゃなくて、人間が神様を想像したんでしょ?」 ―――“キリスト教弁証論”が扱うテーマはたくさんありますが、やはり最初に扱うべき問いは、「神は存在するのか?」 です。

◆この問いに対する“キリスト教弁証論”の答えは色々とありますが、一番わかりやすいのは《宇宙論的論証》でしょう。「宇宙はどこから生まれたのか?」「宇宙はビッグバンによって始まったのだ」「それなら、ビッグバンの前には何があったのか?」「真空があったのだ」「では、真空の前には何が?」 ―――突き詰めれば、“宇宙を生んだ何か”に辿り着くのです。

◆この《宇宙論的論証》に対して、「いや、宇宙に始まりはない」と反論する人もいますが、現代物理学が発見した「宇宙は膨張し続けている」という事実は、宇宙に始まりがあった可能性を支持しています。また、「神はどこから生まれたのか?」と反問する人もいますが、神様に“始まり”や“誕生”がないのは当然のことです。宇宙や時間を造ったのが神様ならば、「全てのものには原因がある」という法則を超えた所に、神(第一原因)はいるはずだからです。