No.86【「もう絶対にモノポリーはやらないから!」】

◆「もう絶対にモノポリーはやらないから!」と表明したのは、小学生のNちゃんでした。それもそのはずで、「MONOPOLY(独占)」という名前のこのボードゲームの勝利条件は、“自分以外のプレーヤー全員を破産させて、全ての財産を独占すること”であり、Nちゃんは初めてこのゲームを遊んだ時も、その次も、そのまた次も、3回連続で破産に追い込まれたのです。「見るのもイヤ!」とのことです。かわいそうに…。(今度は別のゲームで遊ぼうね)

◆“独り占め”を目指す残酷なゲームであり、今となっては世界一有名なボードゲームである「モノポリー」ですが、もともとは、「土地は個人で独占所有するのではなく、社会全体の共有財産として分配すべき」という経済理論を広めるために作られた教材だったそうです。「ヘンリー・ジョージの経済理論(ジョージ主義)をゲームで勉強しよう!」というわけです。

◆ジョージ主義がどこまで正しい理論だったのかは、経済学者でない私には分かりません。ただし、聖書が明らかに語っているのは、“独占”は神様の御心ではないということ。そして、「盗みをしている者は、もう盗んではいけません。むしろ、困っている人に分け与えるため、自分の手で正しい仕事をし、労苦して働きなさい」(エペソ4章28節)という大原則です。