No.95【恐れない人生の秘訣:V・E・フランクル】

◆人類最大の恐怖は“死”ですが、“死”が怖くなくなったら、人は何を恐れるのでしょうか? ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を生き延びた精神科医のV・E・フランクルは、次のような分析を述べています。


〔地獄のような強制収容所から〕解放され、家に帰った人々のすべてのこれらの体験は、『かくも悩んだ後には、この世界の何ものも……神以外には……恐れる必要はない』という貴重な感慨によって仕上げられるのである。

『夜と霧』205頁

◆神以外に恐れる必要のない人は自由です。他人の機嫌も、不慮の事故も、少ない貯金額も、恐れる必要はないからです。別の本でフランクルは、“恐れない人生の秘訣”を教えています。


私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。……どのような未来もこわくありません。……現在がすべてであり、……すべてはもう、そのつど私たちにどんなことが期待されているかにかかっているのです。

『それでも人生にイエスと言う』27-28頁

◆フランクルが“人生”と表現したもの。これこそ、死をも恐れない彼が唯一恐れた“神”でした。「今、 私が神様から期待されていることは何か?」それ以外のことは気にしなくて良いんです。