No.179【「者たち」 vs 「物たち」】

◆「僕の前世はイタリア人」と主張するKくん。「パスタを食べると故郷の景色を思い出す」とのことですが、イタリア語を話せるわけではなさそうです。ただし、イタリアと言えばローマ、ローマと言えばラテン語ですが、ラテン語なら少し勉強したことがあるとのこと。

◆そんなKくんがある日、愚痴をこぼしていました。「せっかくラテン語を勉強したのに、いざ教会に通い始めてみたら、ヘブル語とかギリシャ語の話ばっかりで、ラテン語が全然出てこないんですよ…!」―――では、(僕も詳しくないですが)たまにはラテン語の話を。

◆使徒信条の中に、sanctorum communionem(サンクトールム コンムニオーネム)というラテン語が出てきます。普通は「聖なる者たちの交わり(聖徒の交わり)」と訳されるのですが、「聖なる物たちの交わり」と訳すことも可能なのです。「聖なる物たち」というのは、聖餐の“パン”と“杯”のことです。

◆「聖なる者たち」か、「聖なる物たち」か、どちらが正しい理解か気になるところです。しかし、キリスト教の伝統では「どっちも正解!」とされてきました。「聖なる者たち」が、「聖なる物たち」によって一つの交わりをつくる、それこそが「聖徒の交わり」だからです。